本研究では、頭頸部癌患者の安静時エネルギー消費量および呼吸商を測定し、エネルギー代謝変化を検討した。さらに、悪液質と非悪液質の2群に分け、化学放射線療法中の体重変化と栄養投与量との関連を検討した。その結果、頭頸部癌患者では健常者に比し、安静時エネルギー消費量が亢進していることが分かった。また、頭頸部癌患者において、悪液質群は非悪液質群に比し、安静時エネルギー消費量が亢進しており、呼吸商が低値であることが示された。さらに、治療中により多くのエネルギー、たんぱく質を投与することで悪液質患者の体重減少を非悪液質患者と同程度に抑制できる可能性が示された。
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