最近、大規模疫学調査により奇数鎖脂肪酸が糖尿病を含む慢性炎症疾患と逆相関する事が報告された。しかし、長鎖奇数鎖脂肪酸(ヘプタデカン酸やペンタデカン酸)の抗炎症作用メカニズムについてはわかっていない。本研究では、長鎖奇数鎖脂肪酸がマクロファージにおいてIL-6やIL-12などの炎症性サイトカインやプロスタグランジンE2産生の阻害効果があることを見出した。また、その産生阻害メカニズムの一つとしてp65タンパク質の分解を介したNFkBシグナル抑制効果があることがわかった。現在、行われている標的タンパク質の詳細な解析によってさらなる研究の発展が期待される。
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