研究課題
平成30年度は、これまでの研究成果・課題を踏まえ、1.敦煌莫高窟千仏図の研究、2.壁画の光学調査、3.麦積山石窟壁画片の年代測定・構造調査、の三点を軸に研究をおこない、研究成果の発表および準備を進めた。1.敦煌莫高窟千仏図の研究:平成29年度に調査した隋代に造営された窟に描かれた千仏図の調査結果をまとめ、千仏図の描写設計などの解析を通して隋代における莫高窟の特徴を明らかにした。研究成果の一部は筑波大学大学院に提出した博士論文『敦煌莫高窟に描かれた規則性を備える千仏図の研究』(2018年7月)に掲載した。また、これまでに実施した千仏図研究の成果について、敦煌研究院主催の『敦煌壁画:形式与風格学術研討会』(2018年10月24日)などで発表した。2.壁画の光学調査:2018年10月に麦積山石窟における現地調査を実施し、同石窟の第127窟において未調査だった壁画の追加光学撮影を実施し、画像処理により解析を進めた。麦積山石窟壁がの光学調査の成果について、麦積山石窟芸術研究所が主催する研究会(2018年10月31日)において発表した。また、2018年8月に遼寧省の奉国寺大雄殿に描かれた壁画の光学調査をおこなった。本調査の成果について日本文化財科学会第36回大会(2019年6月1日-2日)に発表予定である。3.麦積山石窟壁画片の年代測定・構造調査:平成29年度に実施した麦積山石窟壁画片の炭素年代測定について、測定結果に課題の見られた壁画片の再測定を実施した。昨年度の測定結果を含め、制作年代の解析・推定をおこない、その成果について日本文化財科学会第35回大会(2018年7月7日-8日)にて発表した。また、マイクロCTスキャンシステムにより同壁画片の構造調査を実施した。本調査の成果は「2019東アジア文化遺産保存国際シンポジウム」(2019年8月、韓国)にて発表予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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伝統技芸与現代科技 東亜文化遺産保護学会第六次国際学術研討会論文集
巻: 1 ページ: 551-561
巻: 1 ページ: 611-625
Traditional Techniques and Modern Technology: The Proceedings of the Sixth Symposium of the Society for Conservation of Cultural Heritage in East Asia
巻: 1 ページ: 569-580
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