超高齢社会を迎えた昨今,転倒災害による死亡者数は増加の一途をたどり,転倒事故の削減,予防が喫緊の課題である.厚生労働省と労働災害防止団体も,転倒災害を減少せるための「STOP!転倒災害プロジェクト」を推進しているものの,未だ取り組むべき課題が多く残されているのが現状である.本研究成果により,人が安定した歩行や立位姿勢維持のための身体能力を有しているかを転倒リスクとして定量的に評価し,日常生活において転倒を効果的に防ぐための基礎的な方法論が確立できた.これは今後の超高齢社会を支える非常に重要な根幹技術となり,健康診断など簡易的な転倒リスク検査によって多くの転倒事故問題の解決の糸口となり得る.
|