ラット運動モデルへのグリコーゲン分解阻害薬の投与により、脳グリコーゲンが神経のエネルギーとなる乳酸の産生・供給を通して持久性に役立ち、その代謝破綻が機能低下(中枢疲労)の原因となることを明らかにした。さらに、運動と高糖質食の混合処方「グリコーゲンローディング」は、筋だけでなく脳(視床下部と海馬)のグリコーゲンを高め、持久性向上に寄与することを確認した。加えて、この効果の血中バイオマーカーをメタボロミクスを使って検討したところ、アミノ酸・チロシンを同定した。これらは、アスリートのハイパフォーマンスに貢献しうる新たな持久性向上策「脳グリコーゲンローディング」の開発に資する基礎的成果である。
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