研究課題
H30年度は、サルコペニア・ダイナペニア高齢者をスクリーニングし、このように骨格筋機能が低下した高齢者に対する介入試験を実施した。H28-29年度に実施した研究により、サルコペニアとダイナペニアは共通して、筋の質が低下しており、位相角が減少しており、必須アミノ酸濃度(特にロイシン)が低下していることが分かってる。そこで本研究では、サルコペニア・ダイナペニア高齢者に対して低負荷運動とタンパク質摂取の介入を実施し、筋力および骨格筋の質の改善に及ぼす影響について検討した。介入候補者の中から適格基準を満たした112名を介入対象とした。対象者は、運動+栄養群、運動単独群、栄養単独群、コントロール群の4群に無作為に分類し、それぞれ3ヶ月間の介入を実施した。運動介入としては週2回の運動教室と、週5日の自宅での自主トレーニングを指導した。栄養介入としては、タンパク質10gが含まれたサプリメントを毎日摂取するように指導した。アウトカム指標としては、膝伸展筋力、大腿前面筋のエコー輝度、体組成による筋量および位相角、快適歩行速度、最大歩行速度、片脚立位、5回立ち座りテスト、握力とした。対象者の年齢は84.2±5.5歳、女性が73名(65.2%)であった。4群間で基本属性に差はなかった。両介入ともに3ヶ月間の介入期間で特筆すべき有害事象は認められておらず、両介入ともにアドヒアランスは中央値で80%以上と良好であった。各種アウトカムの変化量において、4群間で差を認めたのは、膝伸展筋力、位相角、大腿直筋エコー輝度であり、いずれも運動+栄養群で最も良好な改善を示した。サルコペニア・ダイナペニア高齢者に対しては、低負荷な運動であってもタンパク質を強化することで骨格筋機能を改善させるような効果が認められた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geriatrics & Gerontology International
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