研究課題
若手研究(A)
本研究では、小学生から高校生までを視野に入れ、複数のデータの分析から、同輩集団関係と学校生活の関連性をめぐる日本の特質を明らかにした。その結果、明らかになったのは以下の3点である。第一に、小学生段階からすでに同輩集団関係が学校生活に及ぼす影響力は色濃く、いじめ被害傾向にも寄与している。第二に、小学生から高校生に至るまで、男子よりも女子の方が同輩集団関係の影響力が高い。第三に、高校生段階では、学校行事などの特別活動の中で、その影響力が顕在化しやすい。
教育社会学
本研究の貢献は、以下の三点である。第一に日本の学校生活のあらゆる場面で、同輩集団関係が強固な影響力を有し、その在り方によって、学校適応できるか否かが左右されるということを明らかにしたこと。第二にその在り方は性差によって異なり、女子の方が同輩集団関係の影響を受けやすいことを実証したこと。そして第三に、同輩集団関係の影響力は、学校行事などの特別活動の中で顕在化しやすいことを指摘したことである。