最終年度の本年度は、以下の4点に取り組んだ。 ①本研究の総括国際シンポジウムを京都大学で開催した。具体的には、2019年9月24日、25日に国内外から22名の発表者(海外から9名、国内から13名)が参加するイスラーム経済国際ワークショップを開催し、本研究が対象として集中的に調査・分析を行った4カ国(マレーシア、インドネシア、エジプト、トルコ)における新しいイスラーム経済実践の実態について、これらの国の研究者・実務家および他の国を調査している研究者との間で議論を行った。このワークショップの議論からは、上記4カ国における新実践(トップダウン型新実践、ボトムアップ型新実践)は、本研究が行われた4年の間に他の国にも浸透し始めるとともに、それらがサイバー空間などによってトランスナショナルに結合・融合していっている動態が明らかになった。 ②上記のワークショップを踏まえて、フォローアップ調査をヨルダンおよびアラブ首長国連邦、シンガポールにて行い、上述のトランスナショナルなイスラーム経済の新実践の広がりがこれらの国々においても浸透しつつあることを確認した。 ③上記のワークショップでの研究発表に加えて、2019年4月にフランス・パリにて、2019年10月にマレーシアにて、2020年2月に大阪にて研究発表を行い、本研究の成果に関するフィードバックを参加した研究者から得た。 ④本研究の最終成果として日本語および英語による書籍の出版準備に取りかかり、2020年度中の出版にめどをつけた。
|