デジタル時代において、それ自体が消え逝くアーカイブたる舞台上の人間身体をいかに記録しうるのかを三段階に分けて考察した。第一段階において舞台上でデジタル映像が多用されるようになった今世紀以降のドキュメンタリー・シアターの現在形をマッピングし、従来の第一定義であった文書・記録としてのドキュメンタリの変容を明らかにした。第二段階では、時空間、不在、シミュレーションなどを含め、物体から痕跡の集合体へと変容したドキュメンタリー・シアターの例を考察した。第三段階では、上記で得られた研究成果を甲南女子大学の教育環境にて応用しながら、新聞記事14本、国際学会6本、学術論文2本、書籍1本という形で発表した。
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