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2019 年度 研究成果報告書

遊牧国家匈奴における製鉄の伝播とその適応プロセスの実証的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16H05944
研究種目

若手研究(A)

配分区分補助金
研究分野 考古学
研究機関愛媛大学

研究代表者

笹田 朋孝  愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードアジア考古学 / 科学技術史 / モンゴル / 匈奴
研究成果の概要

モンゴル国ホスティン・ボラグ遺跡などの発掘調査を実施し、複数の製鉄炉、鉱石焙焼炉や廃棄土坑などを検出した。放射性炭素年代測定から製鉄遺跡の年代は紀元前2世紀~紀元後1世紀であることが明らかとなった。また、炉形や土製羽口の検討や鉄滓の金属学的分析から製鉄技術の特徴の一端を明らかとした。本研究の推進により、紀元前2世紀の匈奴が鉄器生産能力を既に有しており、技術的系譜の一つを南シベリアに求められることが明らかとなった。これは中国の史書にも記載されておらず、これまでの匈奴のイメージを覆す大きな発見であった。

自由記述の分野

考古学

研究成果の学術的意義や社会的意義

これまで遊牧国家は農耕国家によって記載された歴史書によるネガティブなイメージ(野蛮な殺戮者、文明の破壊者)に支配されてきたため、匈奴の手工業生産は著しく低く見積もられてきた。ホスティン・ボラグ遺跡の発掘成果から匈奴による鉄の独自生産が解明されたことは、これまでの匈奴のイメージを変える大きな発見であった。匈奴はその後の遊牧国家の“原型”とされており、本研究により考古学の立場から新たな遊牧国家像を提示することが可能となった。

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公開日: 2021-02-19  

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