本研究における2017年度の研究課題は、郵送調査の実施である。有権者レベルにおける世代間対立について検討する本研究において、世代ごとの政治態度や政策意見の相違だけではなく、社会における世代間対立の存在を有権者自身が認識しているかも研究の焦点としている。ただし、主観的な世代間対立に関する質問項目は世論調査で聞かれていることは極めて稀である。代表的な例としては、国際比較世論調査であるInternational Social Survey Programme(ISSP)の社会格差(Social Inequality)モジュールがあげられるものの、世代間対立について尋ねた1987年、1992年、1999年の調査のうち、日本が参加したのは1999年のみである。さらに、2000年代になってから同形式の質問が尋ねられているのは2012年のWaseda-Web2012データであるが、これはインターネット調査であり、代表性に限界がある。 そのため、本研究では、1990年代と比較可能な形式で主観的な世代間対立を検討できるような世論調査を実施する必要があった。少子高齢化が一層進展したこの20年間の主観的世代間対立の変化について検討するためである。 具体的には、2018年7月に「世代と選挙に関する意識調査」を実施した。調査対象者は全国の有権者で、選挙人名簿からの層化二段無作為抽出によって全国80地点から4000名の調査対象者を抽出した。調査は送付も回収も郵送で実施した。回答者数は1839名、回収率は46.0%であった。
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