本研究の目的は、少子高齢化に直面する現代日本における世代間対立をミクロレベルで実証的に描き出し、その動態を解明することである。過去30年間の世論調査について分析し、世代間で利益が対立しているかを客観的に測定しようとした結果、政策争点態度において明確な世代間対立の存在については確認されなかった。他方で、社会において若年層と高齢層が強く対立していると有権者自身が認識しているか否か(世代間対立認識)について尋ねると、世代間で相違が見られる。集団対立が世代のラインに沿って生じているという見方は若者側の見方なのである。
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