上場基準緩和がイノベーション活動に負の影響を与える、あるいは無関係であるとの結果が得られた。ただし結果はイノベーションの変数によってばらつきが存在することが確認された。具体的にはイノベーションの質を図る変数においては負の影響が強く確認された。ただし少なくとも上場基準緩和が正の影響を与えたとの結果は得られなかった。なおこれら結果は複数のマッチング手法を用いたもとでも確認された。 日本においても上場基準をどのように変化させるかは定期的に議論されている(直近では日本取引所208/12パブリックコメント)。本研究結果からは、ベンチャー向け市場の拡大が必ずしもイノベーション活動をつかめないと言える。
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