研究課題/領域番号 |
16H05954
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東京大学 (2019-2020) 東北大学 (2016-2018) |
研究代表者 |
永吉 希久子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50609782)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 移民 / 社会統合 |
研究成果の概要 |
日本ではこれまで移民の社会統合を在留資格や国籍,地域を超えて把握する試みは十分に行われてこなかった.本研究では外国籍者に対する無作為抽出による全国調査を実施し,2015年に日本国籍者を対象に実施された調査との比較を行いながら,移民の社会統合の状況と統合の促進/阻害要因を検証した.その結果,移民の社会統合は社会経済的な面でも,社会参加の面でも,心理的な面でも十分に進んでいないことが示唆された.日本語能力はすべての次元において統合を促進する機能を持っており,日本語習得の機会の提供が重要となることが改めて確認された.
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では移民の社会統合を全国規模の調査で実証する試み自体がほとんど行われておらず,本研究は日本における移民の社会統合のメカニズムを検証する第一歩となる.また,本研究では労働市場をはじめとした諸制度の影響により,移民の統合が阻害されていることが示された.これは,欧米を中心に発展してきた移民統合のモデルの日本への適用可能性とその限界を検討する上で,重要な知見といえる.また,少子高齢化を迎え,実質的には移民の受け入れが進められている日本において,現行の受け入れ制度では移民の周辺化を招きうることを示した点で社会的意義がある.
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