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2020 年度 実績報告書

グローバル教育政策市場のインパクトに関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 16H05960
研究機関信州大学

研究代表者

林 寛平  信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10726376)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードグローバル教育政策市場 / 教育の輸出 / 大規模国際アセスメント / 比較教育学 / エデュ・ビジネス / EDU-Portニッポン
研究実績の概要

本研究は、国際学力調査の流通過程の変化が与える教育政策へのインパクトを国際比較の視点から分析することを目的としている。教育産業が国際アセスメントの成績や分析に関するデータを自由に利用できるようになったことで、教育政策に経済的な価値が生まれ、グローバルな教育政策市場が形成されている。この場には各国の大学や研究所も参加し、国家による「教育の輸出」が始まっている。教育の「売り手」としての国家の参入は倫理的な問題をはらむだけでなく、比較教育学が蓄積してきた方法論および発展過程を問い直す事象でもある。本研究は研究期間を通じて、国際アセスメントを媒介とする、国境を越えた教育政策の売買の実態を明らかにし、新たな研究領域の確立を目指した。
研究の主たる成果は3点ある。まず、林(2016)において、①国際アセスメント(特にOECDのPISA調査)での好成績を背景に、テスト運営のノウハウを売買する国際市場が興っていることを明らかにし、②それらのアクターが顧客としている途上国との間に非対称な関係が生じていることを論じた。次に、Hayashi(2019)において、①国際アセスメントによる好成績を「フィンランド式教育」といった形でブランディングし、国策として「輸出」する政策が動いていることを示し、②関係者への聞き取りによって、その動機が経済的なものであることを明らかにした。さらに、林(2019)においては、リベリアにおける教育省のアウトソーシング政策を事例に、①比較教育学がこれまで「政策移転」の概念で分析してきた事象が「教育の輸出」によって説明不能になっていること、②経済的な動機による政策移転が、輸出先での「土着化」を阻害する構造的課題を持っていることを論じた。林(2016)には日本教育行政学会研究奨励賞が、林(2019)には日本教育学会奨励賞が授与されるなど、研究成果は高く評価されている。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] コロナ禍におけるスウェーデンの学校教育2021

    • 著者名/発表者名
      田平修,林寛平
    • 雑誌名

      比較教育学研究

      巻: 62 ページ: 41-58

    • 国際共著
  • [学会発表] Futures of Education: How to Assure Quality Higher education during University Closures2020

    • 著者名/発表者名
      Chris Dede, Diana Laurillard, Isak Froumin, Kampei Hayashi, Chee-Kit Looi et. al.
    • 学会等名
      UNESCO Institute for Information Technologies in Education (IITE) 2020
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Futures of Education from Students’ Perspectives: Existing Stories - Unrestrained Imaginations2020

    • 著者名/発表者名
      Michael Meimaris, Kampei HAYASHI et. al.
    • 学会等名
      UNESCO Institute for Information Technologies in Education (IITE) , The 2nd International Webinar, Future of Education from students' Perspectives: Existing Stories - Unrestrained Imaginations 2020
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 北欧の教育最前線-市民社会をつくる子育てと学び2021

    • 著者名/発表者名
      北欧教育研究会(編),林寛平(編・著),本所恵(編・著),中田麗子(編・著),佐藤裕紀(編・著)
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      4750351482
  • [図書] 学校を離れる若者たち―ヨーロッパの教育政策にみる早期離学と進路保障―2021

    • 著者名/発表者名
      林寛平(著),本所恵(著),園山大祐(編)
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      4779515297
  • [備考] 信州大学比較教育学研究室

    • URL

      https://shinshuedu.blogspot.com/

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公開日: 2021-12-27  

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