本研究では磁性超薄膜ヘテロ構造における界面電子・磁気結合状態の微視的メカニズムを理解することを目的に、Cu(001)単結晶基板上の反強磁性/強磁性 Mn/Fe超薄膜ヘテロ構造のスピン偏極STM観察とXAS/XMCD測定を行った。結果、Mn/Fe超薄膜ヘテロ構造はMn超薄膜積層の増大に伴いスピン再配列転移を起こし、容易磁化方向が面直方向から面内方向に変化することがXAS/XMCD測定より明らかとなった。さらに、Fe超薄膜のスピン再配列転移の起源がMn超薄膜とのヘテロ接合界面における磁気結合に由来することをスピン偏極STM観察によるMn超薄膜の原子スケール表面磁気構造観察から示すことに成功した。
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