磁気スキルミオンと呼ばれるナノメートルスケールの渦状磁気構造体を共鳴軟X線小角散乱手法によって観測することを目的に研究を行った。共鳴軟X線散乱は対象とする元素の吸収端に対応したエネルギーの軟X線をつかうことで元素選択的に磁気状態を観測できる手法である。本手法を使い、電場によって磁気スキルミオンを生成・消滅する様子や、引っ張り応力によって磁気スキルミオンから磁気カイラルソリトン格子へと磁気構造が変化する様子を観測した。また、コヒーレントな軟X線を使って得られる回折図形から位相回復アルゴリズムによって数十ナノメートルの空間分解能で元素選択的に実空間像を再構成することにも成功した。
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