研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、独自に開発したKK-XAFS法を高度化し、構造材料等の表面で起こる酸化、腐食反応の観察と理解に取り組んできた。構造材料は表面からの腐食等により寿命を迎えるが、腐食の進行機構の詳細は不明な点も多い。不動態皮膜の典型的な厚みは数nm程度であり、最表面から数nm程度までの表面領域での腐食過程の理解が極めて重要である。 例えば鉄については、250°C, 300°C, 350°Cなど複数の温度条件下で、表面で起こる酸化反応および還元反応について、IRRASと組み合わせて高度化したKK-XAFS法を用いて、~2 nmというユニークな表面感度を活かした観察に成功した。
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