研究成果は大きく分けて二つである.まず,Deligneが予想した有限体上の多様体上のp進係数理論とl進係数理論の同等性の問題に対して,一つの方向,つまりp進係数からl進係数を作り出す方向,をベルリンのEsnault氏ととの共同で示した. もう一つはp進コホモロジー論の基本定理ともいえる準安定還元定理の手法を用いて,特性サイクルの理論への応用するための基礎的な結果を示した.この基礎的結果は二つに分かれ,まず特性サイクルを定義するうえで必要な関数列の収束性を示し,今後必要になってくるであろうモチビックコホモロジー論の無限圏強化を行った.
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