本研究では、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた新しいコンセプトの多天体分光を行うための装置開発を行い、これまでの観測に比べて高い効率での観測を可能にした。今後は、本研究で開発した装置を用いた観測研究を進めると共に、装置をすばる望遠鏡の持ち込み装置として広くコミュニティに公開する。本研究で用いたDMDは、天文学研究の用途としてはまだほとんど使われていないが、従来の多天体分光器で用いられてきた可換型スリットに比べて、格段に安価でコンパクトであるため、将来の広視野多天体分光装置への応用が期待されている。本研究で得られた知見は、このような将来の大型装置の開発で応用する事ができるであろう。
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