研究課題
若手研究(A)
本研究では、ニュートリノのマヨラナ性の神髄に迫るべく、多角的なアプローチによるキセノン二重ベータ崩壊の探索を行ってきた。まずは、素粒子標準理論において予言されているがまだ実験的に観測されていない124Xeのニュートリノを伴う二重電子捕獲の探索を行った。岐阜県飛騨市の神岡鉱山の地下1000mに設置した大型液体キセノン検出器XMASS-Iを用いて取得した800日の観測データを用いて探索を行ったが有意な信号は観測されず、この反応の半減期に対して2.1E22 年以上という世界で最も厳しい制限を与えた。
素粒子実験、宇宙線実験
本研究では124Xeのニュートリノを伴う二重電子捕獲の探索を行ったが、残念ながら有意な信号を捉えることはできなかった。その結果、この反応の半減期に対して世界でもっとも厳しい制限を与えることになったが、この結果は原子核反応を計算するための様々な理論モデルを改善するための新しいインプットになった。これは、今後ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊の半減期の予言精度を向上させることにつながると期待される。