研究実績の概要 |
典型的な強相関電子系酸化物である (La,Pr,Ca)MnO3 (LPCMO)およびVO2の転移過程ではナノ相分離現象が見られ、金属相と絶縁相が~101-103nmサイズで共存する。絶縁体-金属転移(IMT)発現の最小単位である単一電子相の物性をデバイスとして制御した新奇ナノデバイス展開を目指して、独自技術であるボトムアップ手法であるパルスレーザー堆積法(PLD)を主とした3DナノテンプレートPLD法を用い、サイズ・位置を精密に制御した極微細なナノウォール細線(nw)構造を作製した。電子相物性を明らかにするために、にナノウォール細線の測定領域をナノスケールにまで局所化し、数個程度のナノ電子相の転移特性観測を行った。さらに、ナノ電子相の特性を電界で直接制御することを期待目的としnwトランジスタのデバイス構造の創製を行った化を試みた。 線幅80 nmのVO2 nw細線は、350 K付近でIMTに伴う抵抗変化を示し、薄膜では観測されなかった微小な抵抗の飛びが観測された。これは細線中にナノ電子相が閉じ込められている約150個の電子相のIMTに由来する。ナノ電子相のサイズ・数を定量的に評価するために行ったシミュレーションからを行った。その結果、電子相の大きさは30-50 nmと示唆された同定された。さらに電極間距離の縮小により、電子相10個のIMTを反映したsteepな抵抗変化を抽出することに差成功した。 マンガン酸化物では、線幅80 nmのLPCMOナノウォール細線をチャネルに持つFETの創製に成功した。このナノ細線EDLTのゲート電圧印加時のチャネルの抵抗を観察することに成功した。VG = 0 Vでは96 KでIMTが起きているが、-2 V印加により転移温度の高温シフト、抵抗変化率の減少が観測された。今後はチャネルのナノ構造化の効果を明らかにし、ナノデバイス展開への指針を得ていく。
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