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2017 年度 実績報告書

単一細胞温度計測でみられる異常発熱の物理学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H06019
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

大山 廣太郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 特別研究員 (70632131)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード単一細胞 / 温度計測 / リポソーム
研究実績の概要

近年の細胞温度計測技術の発展により、様々な細胞内局所の温度変化が明らかにされつつある。これらの知見は、「細胞は局所的な熱を発生し、それを有効活用している」という新たな視点を生命科学にもたらしている。しかしながら、この温度上昇は、従来の熱量測定の知見と単純化した熱伝導過程から導かれる理論値より数桁高い「異常な発熱」であることが、世界的な論争となっており、早急な解決が迫られている。そこで本研究は、細胞内局所の熱と温度をつなぐ物理学的基盤の構築を目的に、細胞内における熱伝導・発熱過程を捉え、細胞内局所の温度変化を理論的に推定可能にすることを目指す。

2017年度は主に、イオン流入時の細胞膜特異的な発熱反応の検出を目指し、人工細胞系(脂質2重膜で包まれた細胞サイズのリポソーム)を用いた膜局所の温度計測を行った。リポソーム内外にCa2+濃度勾配を形成し、Ca2+イオノフォアよってCa2+流入を誘発した際の温度変化計測を行った。膜の温度計測は、脂質膜を温度感受性のある蛍光色素で染色し、その蛍光強度の相対変化から温度変化を計測した。これまでのところ、本計測では顕著な温度変化は観測されていない。また、昨年度開発した細胞外から非侵襲に細胞表面の温度を可視化・計測する手法と、従来の細胞内温度計測を組み合わせることで、単一細胞の発熱時に生じる局所的な温度勾配の検出を行った。HeLa細胞にCa2+イオノフォアを作用させることで細胞内Ca2+上昇を誘発したところ、細胞内小器官である小胞体近傍では1℃オーダーの温度上昇が見られたのに対し、細胞膜近傍の温度計測では同程度の細胞の温度上昇は検出されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度構築した実験系が本格的に稼動し、新たな知見が得られつつある

今後の研究の推進方策

引き続き研究計画通り研究を推進し、最終年度となる2018年度は成果の論文発表を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] FLUORESCENCE THERMOMETRY OF CELL-SIZED LOPOSOMES DURING THE COURSE OF ION FLUX ACROSS LIPID BILAYER2017

    • 著者名/発表者名
      Tomomi Arai, Makito Miyazaki, Kotaro Oyama
    • 学会等名
      The 3rd Africa International Biotechnology and Biomedical Conference
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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