研究実績の概要 |
最新鋭の波長可変ライダーに追加の拡張システムを開発/投入することで電離圏 (高度100-300 km) の窒素分子イオン (N2+) のライダー観測を実現させ, 有効な観測手段の欠如のために理解が遅れている電離圏組成研究の新展開に資することを目指す. 更に, 窒素原子イオン (N+), カルシウムイオン (Ca+) など, その他の電離圏組成を対象とする新たなライダー観測への展開を視野に入れつつ, 新技術や新観測手法の開発への取組みにも挑戦する.
波長可変ライダーの追加の改良システムとして, 窒素分子イオン (N2+) の共鳴散乱線 (391 nm) に送信レーザー (ライダー送信系) を同調する為の波長制御システムを開発した. 開発した波長制御システムを波長可変ライダーに実装するにあたり, 波長制御システムとデータ取得システムを連動したタイミング制御を実現する為, ライダーシステム全体の最適化調整, 及びライダーシステム制御ソフトウェアの改修を重点的に行った. 最終的に, 改良システムを実装した波長可変ライダーの良好な動作を確認し, 概ね想定通りの性能のライダーシステムを構築することに成功した. 改良システムを実装した波長可変ライダーは南極昭和基地へ投入されており, 南極観測隊の隊員 (研究協力者) によるライダーシステムのセットアップの後に試験観測を開始している.
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