研究課題
若手研究(A)
物質の「結晶化」は、無機、有機、無機-有機複合、生体材料問わず、様々な研究分野において普遍的に重要なテクノロジーであると共に長年研究者を悩ませてきた課題である。広く受け入れられている結晶化過程は、「核形成→結晶成長」というステップを含んでいる。本研究課題を進める中で、「トポロジカル欠陥(らせん転位)」が核形成・結晶成長の鍵を握る現象に偶然遭遇した。当初計画していた「動的多孔体」とはまったく異なるものの、結晶材料に共通する新現象の発見であった。
錯体化学
本研究の独創性・新規性は以下の通り。(1)「結晶中の位置特異的ならせん転位(トポロジカル欠陥)をきっかけとする複合結晶成長」はこれまでまったく知られていない現象であり、本研究での発見である。(2)複合結晶成長は複雑な工程を必要とせず、自発的な成長機構に基づいている。(3)構造的な特異性だけでなく、物性についても萌芽的な発見を既に見出している。様々な分野で普遍的に重要である「結晶化」の理解に多大な貢献をもたらすことは言うまでも無い。