研究課題
若手研究(A)
流れの層流⇔乱流間の亜臨界遷移において局在乱流の重要性が注目されており,本研究では壁乱流を対象として,乱流を維持し得る限界付近で局在乱流が形成する“大規模間欠構造(空間パターン)”について数値計算と可視化実験により調査した.複雑化した流れ(粗面壁面・粘弾性流体・固液二相流)における大規模間欠構造のロバスト性,及び下臨界レイノルズ数(グローバル不安定性)と変化を調べ,特に乱流縞(局在乱流領域が呈する,主流方向に対して斜めの縞状パターン)の普遍性に関する統一的見解を構築した.
流体工学
流体力学の未解決問題の一つ「亜臨界乱流遷移」の解明は,乱流起源を探る理学的興味に加えて,流体機器の乱流制御という工学的重要性から,長年切望されてきた.例えば,熱交換器内で(乱流遷移の)臨界に近い流動状態がしばしば現れるが,層流化や乱流化または混在した間欠的な場を維持するかで流動/伝熱特性が大幅に変化する事象がある.亜臨界状態の予測や制御が可能となれば,高効率で安全な混合や熱伝達を促進する技術開発に繋がるものと期待できる.