研究課題/領域番号 |
16H06067
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
鈴木 正也 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (40548161)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | デポジション / 混相流 / 流体機械 / 数値シミュレーション / 可視化 / エロージョン / 固気二相流 / 実験流体力学 |
研究実績の概要 |
H28年度は,「バーナーリグを用いた粒子付着試験による付着メカニズムの解明」として,支配的なパラメータの影響を確認するとともに,高速度カメラによる可視化で素過程の理解を進めた. 高圧タービンにおける粒子付着を想定した高温高速条件を対象とし,燃料として灯油,酸化剤として圧縮空気を用いたHVAF(High Velocity Air Fuel)方式のバーナーを用いて,燃焼室のやや下流から珪砂を投入し,バレル内で加速させて試験体に衝突させることにより粒子付着を生じさせた.H28年度は現象を理解しやすいよう,単純な平板への粒子付着試験を行った.支配的なパラメータとなる速度,角度,温度の影響を確認し,粒子が付着あるいは跳ね返る条件を調査した.速度と温度については,バーナーの燃焼状態を変更することにより設定し,粒子の衝突角度については試験体の設置角度を変更可能な支持部により調整した. 粒子速度はPIV(既存備品)により計測し,試験体温度は熱電対とIRカメラ(既存備品)を併用して計測した.付着物の形状については,レーザー変位計(既存備品)により計測した.さらに,素過程の解明のため,高速度カメラ(購入備品)により可視化を行い,溶融粒子の表面上での流動・凝固のプロセスを理解に努めた.ただし,試験数が十分ではなかったこと,可視化に用いる光源が必要となったため,H29年度に対策を取るつもりである.また,想定よりも粒子が付着せずに跳ね返るケースが多いことが分かったため,この点についてもより深く調査を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人事上の理由から,研究に着手するのが遅れてしまったため,当初の予定より遅れが生じている.必要な計測機器の調達と最低限の試験の実施は期間内に間に合ったため,致命的なものではない.パラメータを変更した試験の実施が限定的であったため,H29年度にもH28年度の実施項目を継続して行う.また,想定していた学会発表等の申込みが物理的にできなかったため,成果発表に関しては翌年度に行うものとしたい.
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今後の研究の推進方策 |
遅れの生じた試験の実施や学会発表については既に準備を行っており,H29年度は十分に遅れを取り戻せるものと考えている.また,H28年度の試験で想定よりも感度の低かったパラメータについてはH29年度は調査しない等の対策を取るつもりである.
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