研究課題/領域番号 |
16H06067
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
鈴木 正也 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (40548161)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 粒子付着 / 混相流 / 連成解析 / マルチフィジックス / CFD / タービン |
研究実績の概要 |
平成30年度は、「粒子付着の数値計算手法の構築」と「高圧タービンの粒子付着解析と冷却設計指針の提案」に着手する計画であった.当初計画では,平成29年度までに試験データを取得し,平成30年度から数値解析に取り組む予定であったが,これまでに取得した試験データ以外にも追加の試験データを取得することで数値解析モデルを効率的に構築できる可能性が出てきたため,試験データの取得も継続する計画とした. 試験については,平成29年度に設計検討を行った冶具を用いて平成30年度は粒子暴露試験を継続して行い,粒子衝突挙動の試験データを取得した.試験手法については基本的に準備が整っている.このデータ取得は平成31/令和1年度も継続し,可能な限りデータベースの拡充を図る予定である. 平成30年度からは粒子付着の数値解析を開始した.JAXAで開発されてきた単相流解析コードUPACSをベースとして,混相流とそれによるマルチフィジックス現象に拡張したUPACS-Impingeをこれまでに開発しており,このコードに粒子付着現象のモデルを組み込みを行った.続けてこのコードを使用して高圧タービン初段静翼のデポジション解析を行った.計算対象には申請者らが別途設計を行ってきた高圧タービン翼を採用し,ベースとなるタービン設計に対する粒子付着のパターンを明らかにした.また,タービン翼列の数値解析にあたって問題となる箇所をスクリーニングし,最終年度に対策を行うための準備を整えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画よりも試験データの取得に関わる作業を延長して実施する計画としたが,全体の進捗としては大きな遅延はない.
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今後の研究の推進方策 |
おおよそ順調に試験データの取得と数値解析が進捗している.一方で平成29年度までの研究で想定とは異なる結果も得られており,平成30年度はこれらのデータの解釈を進め,計画の再構築を行いながら研究を進めてきた.平成31年度は最終年度となることから,成果の取りまとめに向け,なるべく計画通りに進捗するように留意して進める.
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