研究課題
若手研究(A)
すす生成は急峻な温度上昇を伴う狭い反応帯で、酸化反応、前駆体の生成と成長、粒子の形成と成長が同時に進行するきわめて複雑な物理化学プロセスである。本研究では、反応帯分離を実現する独自のリアクタを用いて、様々な炭化水素、アルコール、炭酸エステルのすす生成過程において、前駆体の生成と成長を酸化反応および粒子の生成と成長から分離し、すす生成限界および前駆体濃度の計測を行った。得られた結果を元に、既存モデルの問題点を抽出した。
燃焼工学
前駆体生成モデルの妥当性と課題抽出が実施できたことにより、燃焼器からのすす生成低減を目的とした数値シミュレーションの予測性能向上が期待される。また、すす生成することなく高い改質率を実現する条件の発見、炭酸エステル等のバッテリー電解液との類似性へ着想から、燃焼改質と組み合わせた燃料電池の開発、バッテリー電解液の反応性評価という新たな展開を実現できた。