本研究は、臓器を微小サイズに物理的に分割し、空間情報を保持したまま回収・解析をすることを目指すものである。シリコンナノ加工によって作製したナノメートルからマイクロメートルサイズの刃状構造体(ブレード)をアレイに配置した微細デバイスを、臓器サンプルに押圧することで、臓器を1細胞サイズに空間情報を保持した状態で一括分割する。本課題において、臓器分割のシステムを構築し、モデル生物の臓器(マウス脳)の物理分割を行い、本提案原理の実証を行った。また、臓器分画は定量網羅的計測のための前処理操作の位置付けであることから、実際の応用に繋げるために、分画後の計測に向けた回収法に関する要素技術を開発した。
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