研究課題
本年度の研究においては、半導体集積回路製造プロセスの微細化に伴って空間・数値解像度向上が可能(スケーラブル)なバイオセンサ集積回路を実現するための手法の改良ならびに実証を行った。昨年度の結果を踏まえて更なる性能向上ならびにその実デバイス上での実証を目指して研究を行った。半導体集積回路製造プロセスを用いたバイオセンサ集積回路の空間・数値解像度向上を実現することで、生命科学の発展や医療技術の向上への貢献が見込まれるため、更なる性能向上により、より顕著な貢献が期待できる。スケーラブルなバイオセンサ集積回路のアーキテクチャとしてログドメインの時間デジタル変換回路技術を昨年度において着想し、実デバイス上での実証に成功したが、さらなる性能向上を目指してセンサフロントエンドならびに電極部分との融合を実施した。昨年度は入力信号は電気信号であったが、今年度においては溶液を介してのバイオ信号での入力が可能となる電極部分を含めた技術の検証を行い、より実用に近いデバイスの作成を行った。センサフロントエンドとして、空間分解能の向上を目指してキャパシタのない電流モード型アナログ・時間変換回路を新たに提案して、空間分解能向上においてボトルネックとなっていたキャパシタの面積削減に成功した。キャパシタのような受動素子は微細化によって性能向上が見込めない(スケーラブルでない)要素回路であるため、キャパシタの無い回路構成を実現したことでセンサフロントエンド回路部分のスケーラビリティが飛躍的に向上した。初めに計算機上での回路シミュレーションで性能向上を確認した。回路動作を確認後に、実際の半導体集積回路製造プロセスで実デバイス集積回路の試作を行い、評価を行った。昨年度と同様、社会実装を見据えて広く普及している半導体集積回路製造プロセスを選定した。評価を行ったところ、信号出力が確認できた。
1: 当初の計画以上に進展している
当初においては、回路構成においてキャパシタの無いものは計画できていなかったが、新たな着想を得て新規の回路構成を実現できたため。
更なる性能向上を進めるとともに、学術的な貢献も目指して集積回路設計理論の体系としてまとめてゆきたい。
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