研究課題
本年度は、半導体集積回路製造プロセスの微細化に伴って解像度向上が可能(スケーラブル)なバイオセンサ集積回路の検討・立案を行った。解像度を向上させることによって、生命科学発展への貢献ならびに新規産業の創出が期待される。検討ならびに立案を行うとともに、今後の半導体製造プロセスの発展予測を踏まえたうえでの、スケーラブル性を理論的に検証した。新規開発の時間減衰回路を用いたログドメインのバイオセンサ集積回路に、4×4アレイの電極を組み合わせたアレイセンサを、65nm CMOSプロセスを用いて、設計・試作・評価を行った。アレイを構成するセンサセル回路においては、低面積での実装が可能なキャパシタ不要センサセル回路を用いた。キャパシタが不要であり、スケーリングが可能なトランジスタのみで構成されているため、スケーラブル性に富んだ回路構成である。また、時間減衰回路においてもスケーリングに適したデジタル回路を基にしており、スケーラブル性を有している。電極形成については、マスクプロセスにおけるアラインメントが不要で小型化が可能な自己整合型無電解金メッキ技術を用いて実施した。フェリシアン化カリウム/フェロシアン化カリウムの濃度比を変化させた溶液において酸化還元電位型バイオセンシングに基づいた電気化学実験による性能評価を実施したところ、フェリシアン化カリウム/フェロシアン化カリウムの濃度比に応じてパルス信号の出力(パルス幅)が変化しており、その結果が線形性を有していることを確認することに成功した。
1: 当初の計画以上に進展している
実際のアレイ型バイオセンサ集積回路を設計・試作・評価することに成功したため。また、スケーラブル性についての評価を実施することができたため。
今後も引き続きスケーラブル性についての評価・理論構築を行っていく。スケーラブル性を活かしたアプリケーションについての検討も並行して行っていく。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 19件、 招待講演 9件) 備考 (2件)
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