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2018 年度 実績報告書

自動走行システムのための予測値整形理論の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16H06094
研究機関大阪大学

研究代表者

南 裕樹  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00548076)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード予測値整形 / 時空間光制御 / ニューラルネットの軽量化
研究実績の概要

本研究では,自動車の自動走行システムを対象とする.これは,たとえば,障害物回避のように環境情報(障害物の位置)をもとに,自動車を制御(加減速・操舵の制御)するものである.従来の研究では,「環境の予測」と「自動車の制御」の問題を別々に考え,それぞれに対して要素技術が開発されてきた.これに対して,本研究では,予測技術と制御技術を有機的につなぐ新技術として,予測値整形機構「予測ガバナ」を導入する.本研究では,まず,予測ガバナの設計理論を整備する.そして,予測ガバナを自動走行に応用し,実験を通して有用性を示す.

本研究課題では,与えられた予測値を整形する問題を対象としているが,自動走行システムを高度化するためには,予測値そのものの精度も重要になる.そこで,本年度は,予測値を生成する部分に対して新たなアプローチを試みた.具体的に,以下の二つの成果を得た.
1.自動車をとりまく環境を積極的に変化させることで,精度の高い予測値を生成する問題を考えた.とくにそのひとつとして,光センサを搭載した自動走行システムを外部に設置したプロジェクタの光で制御する問題を対象とした.これは,光があたると右旋回をし,光があたらないと左旋回をするという超単純な制御則が実装された自動走行システムをプロジェクタから投影される光分布を用いて制御するものである.そして,経路追従を達成する方法を提案した.
2.予測値の生成には,ニューラルネットワークが用いられることが多いが,ネットワークが大規模になると,FPGAなどの省資源のデバイスに実装することが困難になる.この問題に対応するために,ニューラルネットワークの軽量化に取り組んだ.そして,軽量化のためのノイズシェーピング量子化手法を提案し,その鍵となる誤差拡散フィルタの系統的な設計手法を構築した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画を変更したものの,時空間光ナビゲーションの研究やニューラルネットワークの軽量化の研究に対して,一定の成果を得ることができ,さらに,次年度以降に取り組むべき課題を明らかにした.

今後の研究の推進方策

(1)予測ガバナの設計論の構築:フィードバック系や非線形性を含む系に対する予測ガバナの設計論を構築し,成果を整理する.
(2)自動走行システムへの新しいアプローチの模索:本研究課題では,与えられた予測値を整形する問題を対象としてきたが,自動走行システムを高度化するためには,予測値そのものの精度も重要になる.そこで,自動車をとりまく環境を積極的に変化させることで,精度の高い予測値を生成する問題を考える.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Design of Neural Network Quantizers for Networked Control Systems2019

    • 著者名/発表者名
      Juan Esteban Rodriguez Ramirez、Yuki Minami
    • 雑誌名

      Electronics

      巻: 8 ページ: 318~318

    • DOI

      10.3390/electronics8030318

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 誤差拡散型量子化によるニューラルネットワークの軽量化2019

    • 著者名/発表者名
      南裕樹,池田智裕,石川将人
    • 雑誌名

      システム制御情報学会論文誌

      巻: 32 ページ: 133~135

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of event-triggered dynamic quantizers for networked control systems2018

    • 著者名/発表者名
      Juan Esteban Rodriguez Ramirez、Minami Yuki、Sugimoto Kenji
    • 雑誌名

      Expert Systems with Applications

      巻: 109 ページ: 188~194

    • DOI

      10.1016/j.eswa.2018.05.020

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ニューラルネットの軽量化のためのノイズシェーピング量子化:学習データの特徴を利用したフィルタ設計2019

    • 著者名/発表者名
      南裕樹,池田智裕,石川将人
    • 学会等名
      第 6 回制御部門マルチシンポジウム
  • [学会発表] Design of Quantizers with Neural Networks: Classification Based Approach2018

    • 著者名/発表者名
      J. E. Rodriguez Ramirez, Y. Minami, and K. Sugimoto
    • 学会等名
      2018 International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications
    • 国際学会
  • [学会発表] 時空間光ナビゲーションによる移動ロボットの軌道追従制御2018

    • 著者名/発表者名
      奥田貴裕,南裕樹,石川将人
    • 学会等名
      第 61 回自動制御連合講演会
  • [学会発表] 疑似線形表現に基づく予測ガバナの設計と自動走行システムへの応用2018

    • 著者名/発表者名
      南裕樹,岩井雄大
    • 学会等名
      日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会2018
  • [学会発表] ニューラルネットワークの動的量子化に関する一考察2018

    • 著者名/発表者名
      池田智裕, 南裕樹, 石川将人
    • 学会等名
      第 62 回システム制御情報学会研究発表講演会
  • [学会発表] 制御のためのノイズシェーピング技術とその応用2018

    • 著者名/発表者名
      南裕樹
    • 学会等名
      第 62 回システム制御情報学会研究発表講演会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://y373.sakura.ne.jp/minami/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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