研究課題
研究対象となる紅水川流域における気象・流況観測を継続するとともに、異なる降雨イベントに対して河川・下水道の応答特性を解析し、豪雨災害の発生機構を検討した。また、これまでの現地調査と基礎実験結果を踏まえ、数値モデルの改良を行った。対象流域における氾濫リスクは雨の降り方と防災施設の稼働状況の両方に関係があることが明らかであり、防災施設の利活用により豪雨災害の軽減が期待される。現地観測データと数値モデル予測情報を最大限に活用し、河川水位ピークと下水道水位ピークのズレを踏まえた排水ポンプの早期放流、放流先河川水位の予測に基づいたポンプ稼働計画、下水道と放流先河川の水位予測を踏まえた排水路水門開閉など防災ストックの利活用方法を提案した。現在主流のタイムラインは行政主導であり、住民の能動的防災行動や住民との緊密な連携が欠ける。住民自らの判断・行動に重点を置き、地域特性や災害リスクの時空間的変化を踏まえたマイタイムライン策定方法を検討した。これまでの気象や水位情報等だけでなく、該当地域のハザードマップを生かした災害リスク評価、ゼロアワーとリードタイムの設定や避難経路の選択などによる精度の向上が期待される。また、浸水が発生した場合、氾濫のプロセスに伴い、災害のリスクは時間的・空間的に変化する。災害リスクの変化をタイムラインに取り込むことによって、個々住民の避難行動の効率化が期待できる。新たに提案したマイタイムラインの策定方法に基づいて、対象区域のマイタイムラインの試作を検討した。また、平成26年8月に発生した浸水災害をケーススタディとして検討した結果、新たに提案した防災計画は従来の対応方法より効果的であることが示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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