逆浸透膜における微量物質(特にニトロソジメチルアミン<NDMA>)の透過現象に対する膜物性の重要性を、膜物性分析を通して評価した結果、スキン層の厚みや空隙径などこれまで重要と思われてきた物性に差がないことが明らかになった。また、微量物質の膜透過を表現する細孔モデルを構築し、膜の透過性能と空隙径を入力値とすることで微量物質の阻止率予測が可能であることを明らかにした。さらに、分子動力学シミュレーションを使い、膜構造内の微量物質の輸送を計算した。結果、3種類のニトロソアミンの拡散速度は分子の大きさに従い、これは実際の膜ろ過試験で得た結果と同じ傾向であることを明らかにした。
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