研究課題
本研究では、独立した部品を外から組み立てるのではなく、折りの自律的プロセスによって機能的な立体形状を作る「自己折り」で空間構造物を実現する。2019年度は折りによって実現可能な機能的な空間構造物の具体的な例を探索した(B. 構造バリエーションの探索)。また、これらの構造バリエーションはパラメータに応じて計算し作成可能な設計システムを開発した(C. 設計システム開発)。〇折りの仕組みを利用することで、同一の平面展開図から複数の立体形状へと変化する構造を実現すれば、再プログラム可能な空間構造物、ロボット、セル材料などが実現可能となると考えられる。同一の三角形ストリップから複数の異なる形状へと折り変形可能なパターンを、製作、列挙、形態解析を通して解明した。〇一方折紙には、材料の弾性変形により複数の安定状態を飛び移る非線形な弾性挙動を示すものがあるがその設計は容易ではない。そこで、剛体折紙モデルにおいて一自由度の変形挙動となる構成モジュールに着目し、複数のモジュールが変形途中で一時的に矛盾するように組み合わせることで、複数の状態において安定する構造バリエーションを探索した。これらのシステムは機械的なメタマテリアルやコンプライアントメカニズムの設計へとつながる。〇さらに本研究テーマの応用可能性を探るため、平坦状態で作成可能な折紙式の展開構造物を建築設計会社と材料メーカーと協働し、折り畳み再利用可能なパビリオンとして作成しその生産方式の妥当性を検討した。ポリプロピレンのサンドイッチパネルに折り目パターンを施したものを二層組み合わせることで展開時に剛性を持たせる方式、複合材のマトリックスのパターニングによりコンプライアントヒンジをもった形状を一体成型する手法について提案した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件)