研究課題/領域番号 |
16H06113
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
鈴木 智大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (60534691)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 架構 / 中国 / 台湾 / 韓国 / 古建築 / 貫 / 枋 |
研究実績の概要 |
本研究は、東アジアの視点に立ち、木造建築の生産システム論の創生に向け、東アジア各国・各地域の木造建築について、社会的・技術的・自然環境的な側面から総合的に比較する研究構想の一環として実施するものである。中世から近世の日本と同時代の中国・台湾・韓国における木造建築の構造について、基礎情報および論考を集積・把握し、それぞれの変遷および相関関係を比較検討することで、技術的な側面から研究の全体構想の根幹を構築することを目的とする。 3か年目となる2018年度は、日本の中世~近世初期における木造建築の修理技法について、本研究を通して解明した日本と中国における繋貫の発生と展開のなかに位置づけた。その一部は、メンテナンス研究会(2019年3月16日、於奈良文化財研究所、東京大学海野聡氏主宰)において、口頭発表をおこなった。また、浙江省中南部に所在する木造建築について現地調査をおこなった。 さらに、国際研究会として、第3回東アジア木造建築史研究会を主催し、日本・中国・韓国における最新の研究成果の共有を図った。(研究協力者:韓志晩(韓国明知大学校)、丁YAO(中国天津大学)、李暉(奈良文化財研究所))。東アジア各国の最先端の研究成果の発表ののち、各国の建築史研究における位置づけに関して講評をおこなうことで、各国の建築史研究に対する相互理解を得ることができ、研究の手法や考察の視点などの詳細な検証、そして東アジアの比較研究の可能性の探求など、様々な観点から活発な議論を展開することができた。継続して開催することで、東アジアにおける木造建築研究をリードする研究組織として、機能するようになってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会における学術発表、国際研究会の主宰、中国の古建築調査をおこない、これまでの研究成果の公表、情報の共有と発信、国際研究組織の構築、新規情報の収集の各方面において、継続的に研究を推進することができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2019年度は、これまでの蓄積を踏まえ、成果の取りまとめ、公表をはかる。
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