本研究で着目した木質流動成形技術は、木質系素材の変形能を利用した賦形技術であり、汎用の塑性加工(鍛造)用金型とプレス装置があれば、自由な形状へバルク状木材を比較的短時間で成形加工できる。さらに樹脂含浸を併用すれば、木材の高強度化や寸法安定化などの機能化も同時に達成できる。この技術を実用化すれば、日本国内に賦存する木質資源から効率的に、且つ、高付加価値で炭素固定に寄与する伐採木材製品へと転換することができ、環境・経済面を両立する技術の創出につながる。この成果は、持続的社会の形成という大目標のなかで、地下資源由来技術に取って代わることのできる地上木質資源の工業的利活用の促進に大きく貢献できる。
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