研究実績の概要 |
本研究は,割れ目充填鉱物と変質鉱物の生成時期・温度条件および岩石学的な特徴の相違を把握することで,二次鉱物の生成をもたらす流体の化学的特性の長期変遷の解明を行う。本研究は,土岐花崗岩体を対象とし,以下のSTEP1-3を経ることで,2016-2019年度の4ヶ年で達成する計画である。 【STEP1】花崗岩の形成と発達に係る熱進化モデルの構築 【STEP2】流体の情報を保存する割れ目充填鉱物と変質鉱物の岩石学的情報と形成温度・年代の解明 【STEP3】流体の化学的特徴の長期的な変遷の解明
最終年(4年目)となる2019年度は,集大成としてSTEP3「流体の化学的特徴の長期的な変遷の解明」を中心に実施した。特に,花崗岩体で普遍的に生じる変質現象である斜長石のソーシュライト化と黒雲母緑泥石化の岩石学的・年代学的知見をもとに熱水流体の長期的な変遷の評価を行った。この成果は「Role of micropores, mass transfer, and reaction rate in the hydrothermal alteration process of plagioclase in a granitic pluton」として,国際誌American Mineralogistに公表した。日本鉱物学会での学会発表を行った。
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