研究課題
平成30年度は、昨年度に引き続きチェーンを内挿したUアロイ噴流に対するMHD効果を検証する実験を行った。ノズル先端形状を改良することで、噴流が一定の断面積を持って噴出するようにすることで、流量計の測定値から噴流の初速を正確に測定できるようにすること、また噴流下部にアルミニウムのメッシュを設置することで、噴流が傾いた際にも安定して一定の電流を印加できるようにすることの2点の改良を行い、電流値と噴流の挙動との関係を正確に計測することに成功した。ノズル上部のチェーン挿入部の高さが不足し、ノズル径を変えて圧損が増えた場合にチェーン挿入口からUアロイ噴流が溢れ出てしまったため、ノズル径やチェーンサイズを変えた系統的なデータ取得はできなかったが、電流と噴流の傾きが磁場勾配による電磁力やチェーンとの摩擦による減速を考慮した状況でのローレンツ力による変位と一致することが確かめられた。3年間の一連の研究により、液体金属噴流が内挿したチェーンにより安定化できること、また噴流はチェーンを伴って屈曲すること、またその曲がりがローレンツ力による計算で説明できることが確かめられた。これはチェーン等を内挿した液体金属噴流がローレンツ力が小さい条件ではダイバータターゲットとして機能することを示す一方で、核融合炉条件で予想されるローレンツ力では許容できないレベルに屈曲することを意味している。このためチェーン等を内挿した液体金属噴流を直接ダイバータターゲットとして用いることは難しいことが判明したが、メインのターゲットの背面等に設置することで補助的な役割を果たすなどの活用方法が考えられ、その設計における指針を得ることができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plasma and Fusion Research
巻: 14 ページ: 1405092
10.1585/pfr.14.1405092
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https://doi.org/10.1016/j.fusengdes.2018.04.118