研究実績の概要 |
本研究の目的は『独自開発した新生仔大脳皮質の生体イメージング法により、活動依存的な神経回路形成の分子細胞メカニズムを解明する』ことである。 平成28年度までの研究で、2光子カルシウムイメージングにより、新生仔マウスの大脳皮質体性感覚野においてパッチワーク状に同期する活動パターンが存在すること、活動の由来が末梢であることを明らかにしている。平成29年度は、これらを含む一連の研究成果を論文としてまとめることができた(Mizuno et al., Cell Reports 2018)。 平成29年度の目標は、活動パターンと細胞形態の関連を調べることで、同期活動の神経回路形成における役割を解明することであった。申請時は、活動パターンを2光子イメージングで観察した後、細胞形態を組織学的に解析する方針であった。しかしながら、条件検討の結果、活動パターンと細胞形態の変化を2光子イメージングで同時解析するという、より挑戦的な実験条件を見出した。そのため平成30年度に、この新しい手法を用い活動パターンと細胞形態の解析を行うこととした。
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