体細胞クローンの効率改善および品質向上を目的として、マウスクローン胚のエピゲノム解析およびエピゲノム編集技術の開発を行った。まず、Xist KOドナー細胞の使用と、Kdm4dによるH3K9me3の除去、という方法を組み合わせた結果、クローンの効率を大幅に向上することに成功した。一方で、クローン胚ではH3K27me3によるゲノムインプリンティングが破綻していることを見出した。さらに、そのインプリント異常を示す遺伝子の一つであるSlc38a4が胎盤形成において重要な機能を担うことを明らかにした。以上のように、体細胞クローンの効率改善に成功し、胎盤異常を改善する候補因子を挙げることに成功した。
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