真核生物は10種類以上のDNAポリメラーゼを持つが,そのうち2種類が主にゲノム複製を担う.しかし,その他のDNAポリメラーゼは複製に必要とされながらも,どのようにゲノム複製に関与するかは明らかではない.本研究は,分裂酵母における解析により,誤りがちなDNAポリメラーゼPolζが複製遅延領域のゲノム合成に関与し,その領域で突然変異が多い原因がPolζによることを示した.また,多細胞生物におけるDNAポリメラーゼ間での協調的機能の解析に向けて、酵母にて開発されたDNAポリメラーゼをゲノム科学的に解析する実験法を線虫,ヒト培養細胞に応用した.
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