研究課題
本研究では、卵母細胞の減数分裂に特有の動原体の役割を明らかにすることを目的にしている。平成28年度においては、紡錘体が両極化される過程に着目し、動原体がその過程に果たす役割について調べた。まず、マウス卵母細胞の減数第一分裂における微小管重合中心、微小管、染色体の動態をライブイメージングし、四次元解析を行うことで、紡錘体両極化の過程を定量的に記述した。減数第二分裂においても同様の解析を行い、紡錘体両極化のキネティクスが第一分裂と第二分裂で異なる点を見出した。さらに、卵母細胞で動原体因子をノックアウトすることにより、紡錘体の両極化に動原体の機能が必要である可能性について検討した。特に微小管重合中心の分布変化の解析のためのパイプラインを確立し、詳細な4次元定量解析を行った。現在、動原体因子が微小管制御因子をリクルートすることで紡錘体両極化に役割を果たすという仮説を立て、分子機構の解明に向けた研究を進めている。
1: 当初の計画以上に進展している
計画通り、紡錘体両極化の過程を定量的に記述し、動原体が紡錘体両極化に必要である可能性について答えを得ることができた。さらに、実際に紡錘体両極化に関わると考えられる動原体因子の同定に成功し、分子機構の解明に向けた実験に着手している。
動原体因子が微小管制御因子をリクルートすることで紡錘体両極化に役割を果たすという仮説を立て、分子機構の解明を行う。さらに、減数第一分裂と第二分裂の間で紡錘体の両極化が異なる原因を見い出し、その背後にある分子機構を理解する。
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PLOS ONE
巻: 11 ページ: ―
10.1371/journal.pone.0159917
http://www.cdb.riken.jp/lcs/index.html
http://www.riken.jp/research/labs/cdb/chromo_segr/
http://www.cdb.riken.jp/research/laboratory/kitajima.html