二分脊椎症などの神経管形成不全は比較的発症頻度の高い神経疾患です。その発症機序を分子レベルで理解することによって診断技術や治療法の開発につながることが期待されます。細胞は細胞外からの様々な刺激に応答して、その形態や遺伝子発現状態を変化させ、これを細胞内情報伝達といいます。本研究では、細胞内情報伝達のON/OFFを切り替える役割を持つGタンパク質に着目して神経管形成を制御する細胞内情報伝達の分子機構を研究しました。その結果、R-Ras と呼ばれるGタンパク質の一つが、情報伝達のON/OFFに応じて神経管形成不全発症に関わるVangl2を介して神経管形成を制御している可能性を見出しました。
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