研究課題
細胞質タンパク質の品質管理システムの重要性はプロテアソームやオートファジーを中心として研究から明らかとなってきた。しかしペプチドホルモンの品質を分泌前に調節する機構の重要性は明らかとなっていない。本研究課題では未解明であるホルモン分解経路の生理機能を調べるための基盤技術の確立を目指す。本年度はCrinophagyの基盤技術を創出するために、Crinophagy活性の新規測定方法を開発した。作出した蛍光プローブを発現するホルモン産生細胞を用いて、リソソームにおけるホルモンの分解量を測定したところ、予想通りにホルモンがリソソーム分解を受ける刺激下において蛍光比率の変化が認められた。この独自に作出したアッセイ系を利用してcrinophagy関連遺伝子を同定することで、タンパク質品質管理システムに新しい分野を確立することが期待できる。
2: おおむね順調に進展している
初年度は哺乳類培養細胞を用いたCrinophagyの新規測定方法の開発に取り組んだ。計画通り、2色の蛍光タンパク質を用いたcrinophagy新規測定方法を作成し、様々な刺激に応じて細胞内ホルモンのリソソーム分解を捉えることに成功した。測定には本科研費で購入したフローサイトメーターを用いることで、簡便かつ定量的に行えることも確認できた。
作成した蛍光比率によるCrinophagy測定法と購入したフローサイトメーター(CytoFLEX)を用いて、今年度はCRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)法を利用したCrinophagy関連遺伝子の同定を網羅的に行う。これによりホルモンがどのようなタンパク質の働きによりリソソームへ運ばれるのか明らかになると期待される。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Nature
巻: 542 ページ: 43-48
doi: 10.1038/nature20818
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