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2017 年度 実績報告書

Crinophagy研究基盤の創出と生理機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16H06167
研究機関千葉大学

研究代表者

板倉 英祐  千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (90754218)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードcrinophagy
研究実績の概要

近年の研究からオートファジーは非選択的な分解だけでなく、選択的に分解を行う選択的オートファジーが多様にあり、その生理的重要性が明らかとなってきた。Crinophagyは選択的オートファジーの一種である。小胞体内で合成されたサイトカインなどの分泌タンパク質は小胞輸送によってすぐさま分泌されるが、ホルモン産生細胞におけるペプチドホルモンは分泌顆粒として細胞内に一旦貯蔵される。そして必要時に細胞外へ分泌される。Crinophagyは不要となった分泌顆粒を分解するメカニズムであると概念的に考えられているが、分子機構もメカニズムも明らかとされていない。培養細胞内のcrinophagy活性を簡便に測定するため、蛍光タンパク質とペプチドホルモン遺伝子を駆使することで、細胞あたりの蛍光タンパク質の発現比率から簡便にcrinophagy活性を測定できるcrinophagyアッセイ法の開発を前年度に成功した。本年度は開発したcrinophagyアッセイ法を用いて、哺乳類ホルモン産生細胞の分泌顆粒を分解を導く誘導条件を、様々な生理活性物質を利用して検討した。その結果、いくつかの生理的刺激によってペプチドホルモンのリソソーム輸送が促進されることがわかった。
今後、現在用いているホルモン産生細胞は増殖能が貧しいため、実験の進行を早められるように他のホルモン産生細胞の利用の検討と、crinophagy誘導刺激のより詳細なメカニズムを調べる。Crinophagyの効率的な誘導条件が決定した後、CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)法を利用した遺伝子スクリーニングを進める。これらの実験を進めることで、crinophagy遺伝子の同定と分子メカニズムの理解が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由


Crinophagyアッセイ法に使用しているホルモン産生培養細胞の増殖速度が非常に遅いため実験の進行にある程度の遅延が生じている。今後、他のホルモン産生細胞を用いた検討などを行うことで実験の進行速度を早めるように改善を図る。

今後の研究の推進方策

Crinophagyの誘導方法、使用する細胞が決定次第、Crinophagyアッセイ法を利用して遺伝子スクリーングを行い、原因遺伝子の同定と解析を行う。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Forced lipophagy reveals that lipid droplets are required for early embryonic development in mouse2018

    • 著者名/発表者名
      Tatsumi Takayuki、Takayama Kaori、Ishii Shunsuke、Yamamoto Atsushi、Hara Taichi、Minami Naojiro、Miyasaka Naoyuki、Kubota Toshiro、Matsuura Akira、Itakura Eisuke*、Tsukamoto Satoshi*
    • 雑誌名

      Development

      巻: 145 ページ: 161893~161893

    • DOI

      doi: 10.1242/dev.161893

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dissection of ubiquitinated protein degradation by basal autophagy2017

    • 著者名/発表者名
      Takayama Kaori、Matsuura Akira、Itakura Eisuke*
    • 雑誌名

      FEBS letters

      巻: 591 ページ: 1199~1211

    • DOI

      doi:10.1002/1873-3468.12641

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Purification of FLAG-tagged Secreted Proteins from Mammalian Cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Eisuke Itakura*, Changchun Chen and Mario de Bono*
    • 雑誌名

      BIo-protocol

      巻: 7 ページ: 1~4

    • DOI

      doi: 10.21769/BioProtoc.2430

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Dissection of ubiquitinated protein degradation by basal autophagy2017

    • 著者名/発表者名
      Eisuke Itakura, Kaori Takayama, Akira Matsuura,
    • 学会等名
      The 8th International Symposium on Autophagy 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] A novel probe for a "lysosomal integrity assay"2017

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Ishii , Akira Matsuura , Eisuke Itakura
    • 学会等名
      The 8th International Symposium on Autophagy 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 選択的オートファジーを利用した強制脂肪滴分解システムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      板倉英祐、高山かおり、石井俊輔、辰巳嵩征、松浦彰、塚本智史
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会
  • [学会発表] Membrane traffic stress probeの開発2017

    • 著者名/発表者名
      石井俊輔、松浦彰、板倉英祐
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会
  • [学会発表] オートファジーの分子機構を応用した脂肪滴分解システムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      高山かおり、辰巳嵩征、石井俊輔、松浦彰、塚本智史、板倉英祐
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会

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公開日: 2018-12-17  

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