本研究では、哺乳類組織の変形を人工的に操作・再構成することを目指した。第1段階として、上皮細胞の頂端収縮を人工的に誘導し個々の細胞の形を変形させる分子ツールを開発した。光活性化転写因子を用いてShroom3という遺伝子の発現を誘導したところ、MDCK細胞において頂端収縮を誘導することができた。次に第2段階として、開発した分子ツールを用いて細胞シート内の特定の細胞集団で頂端収縮を誘導し、組織の変形を起こした。軟らかいゲルの上で形成したMDCK細胞シートにおいて、特定領域を光照射したところ、細胞の集団移動や細胞シートの小さな陥入を起こす様子が観察できた。
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