研究実績の概要 |
AHX、ICA、AOHは新しい植物ホルモンである可能性が高いと考え、これを証明するために、本研究では、これらの化合物の生合成・代謝・受容機構の全容を明らかにすることを目的にして研究を行った。 1)FCs生合成前駆体・代謝産物の探索:前年度までの研究を継続した。AHXの代謝産物である4つ新規化合物を単離した。絶対配置を明らかにするために、化学合成とX線結晶構造解析を行い、構造決定した。化合物の構造活性相関を調べたところ不活性体であることが明らかになった(Choi, J.-H. et al., N-Glucosides of fairy chemicals, 2-azahypoxanthine and 2-aza-8-oxohypoxanthine, in rice, Org. Lett., 20, 312-314 (2018))。さらにコムラサキシメジの培養ろ液からシバの生育抑制物質を4つ単離・成功した発表した(Ito, A., Choi, J.-H., et al., Plant growth inhibitors from the culture broth of fairy ring-forming fungus Lepista sordida, Mycoscience, 58, 387-390 (2017))。 2)生合成・代謝経路の解明:前年度までの研究を継続し、FCsの生合成酵素を同定した。AHXとAOH配糖化酵素をイネの植物培養細胞から単離に成功した。またAHXとAOHの中間体であると考えているの研究を継続し、FCsの生合成酵素を同定している。コムラサキシメジ菌糸体培養濾液をHPLCで分析した結果、培養3日目にAHX産生能が高く、その後徐々に低くなり、培養21日目に最も産生能は低くなった。そこで各菌糸体をMiseqに供し、発現差解析 (edgeR) 及びアノテーションを行い、生合成遺伝子を予測した。Burkholderia contaminans CH-1由来AOHの生合成に関わる遺伝子の予測を行った(Choi, J.-H. et al., High-quality draft genome sequence of Burkholderia contaminans CH-1, a gram-negative bacterium that metabolizes 2-azahypoxanthine, a plant growth-regulating compound, Genome Announc., 5(41), e01148-17, (2017))
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