アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ(Aβ42)は,オリゴマー化することで神経細胞毒性を示す.予防効果が指摘されている生薬由来のウンカリン酸Cは,28位のカルボキシ基を介してAβ42の2~4量体とイオン結合することで毒性オリゴマー化を阻害していることをSOFAST NMRやIM-MS法で明らかにした.また約1,000種の天然物ライブラリーから,オリゴマー化阻害物質の迅速スクリーニング法を確立した.一方で,人工RNAライブラリーからオリゴマー化を抑制するアプタマー3種を単離し,病態脳の染色ツールに応用した.その他,大阪変異やMet35に係るオリゴマー形成機構の知見を得た.
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